ウディタ基本システムを改造『敵隊列変更システムセット』
2016.10.30
2016.10.31更新・コモンイベントを1つ機能追加のため更新しました。詳しくは記事最下部をご確認ください。
前回の記事で書いたウディタの基本システムを改造して敵の隊列変更を行うものですが、さらに発展させて敵の隊列を編集するコモンイベントなどをセットにしたものを作ったので、良かったらお使いください。
■概要
ウディタの基本システムVer2.10の戦闘画面での敵グラフィックの表示位置を、自由に設定することができます。
ゲーム画面サイズ320×240と640×480に対応しています。800×600は非対応・未検証です。
以下の導入作業を行う必要があります。
・ユーザーデータベースを2つ追加
・既存のユーザーデータベース1つの一部編集
・敵隊列設定画面用のコモンイベントを1つ追加
・既存のコモンイベントを1つ上書き
・敵隊列設定画面用のマップデータの追加
■ファイル内容
・ユーザーデータベースファイル
UDB_★敵隊列設定画面用.dbtype
UDB_敵グループ隊列.dbtype
・コモンイベントファイル
敵隊列設定画面.common
175_X[戦]敵キャラ_座標算出.common
・敵隊列設定画面用マップファイル
EnemySetMap320x240.mps
EnemySetMap640x480.mps
・敵隊列設定画面用マップチップファイル
btn16.png
btn32.png
・敵隊列設定画面用画像ファイル
enemyset_grid.png

■導入手順
ウディタ基本システムVer2.10のデフォルト状態を想定しての手順になりますので、それ以外の環境で動作しない場合は各自で調整してください。
導入の際には安全のためバックアップを行った環境にてテストしてからご利用ください。
1.各種ファイルをDataフォルダ内の対応したフォルダにコピーします
「MapData」フォルダに画面サイズに応じたマップファイルをコピーします。
EnemySetMap320x240.mps 320×240画面用
EnemySetMap640x480.mps 640×480画面用
「MapChip」フォルダに画面サイズに応じたマップチップファイルをコピーします。
btn16.png 320×240画面用
btn32.png 640×480画面用
「SystemFile」フォルダに画像ファイルをコピーします。
enemyset_grid.png

2.ウディタを起動し、マップファイルを読み込みます
システムデータベースエディタを開き、「0:マップ設定」のデータ数を追加して、「マップファイル名」で1で追加したマップファイルを読み込みます。

マップ選択ウィンドウの「データ更新」ボタンを押して、追加したマップを編集していきます。

タイルセット設定を開き、空きスペースを選択して、「基本タイルセットファイル」に1で追加したマップチップファイルを読み込みます。

マップ基本設定画面の「タイルセット」でタイルセットを変更します。

マップを保存します。
3.ユーザーデータベースファイルを取り込みます
ユーザーデータベースエディタで空きスペースに以下の2つのデータベースファイルを読み込みます。
「更新」ボタンを押しておきます。
「UDB_★敵隊列設定画面用.dbtype」「UDB_敵グループ隊列.dbtype」

4.既存のユーザーデータベースを一部編集します
ユーザーデータベース「13:敵グループ」の「タイプ内容設定」で項目を追加します。

「項目12」を追加していきます。
「変数」ボタンを押し項目名を「敵隊列表示タイプ」と入力します。

次に「▼特」ボタンを押し、「データベース参照」をチェック、3で追加したユーザーデータベースに追加した「敵グループ隊列」を設定します。
データベースエディタの「OK・更新」ボタンを押していないと、データベース名が反映されません。

「敵隊列表示タイプ」を選択できるようになりました。

5.コモンイベントを追加します
コモンイベントエディタで空きスペースに以下のコモンイベントファイルを読み込みます。
「敵隊列設定画面.common」
コモンイベント本文の最初に設定してある拡大率や文字サイズは、画面サイズや画像に合わせて変更してください。
「敵隊列設定画面」自体は320×240画面範囲内に表示されます。これは基本システムの戦闘画面での敵表示座標が320×240を基準としているためです。

「175:X[戦]敵キャラ_座標算出」を選択し、以下のコモンイベントファイルを上書きします。
「175_X[戦]敵キャラ_座標算出.common」

6.ユーザーデータベース「★敵隊列設定画面用」で敵隊列設定画面で必要となる情報を設定します
「入力用」を選択し、以下の設定を行っていきます。
「背景画像」で画像ファイル 設定が無くとも問題ありません。
「敵グループ読込」でユーザーデータベース「9:敵グループ」からの内容を取込みます。
「敵1」~「敵7」で個別に設定した敵を読み込みます。
「敵グループ読込」でグループが設定されている場合は反映されません。
ちなみに下の座標は初期表示位置ですので、初期表示位置を変更したい場合は編集してください。

7.「敵隊列設定画面」のマップに移動できるようにします
「ゲーム開始位置に設定」もしくはイベントコマンドで「場所移動」できるように設定します。
タイトル画面で選択肢を増やして、メニューから移動できるようにしてみました。


8.テストプレイで「敵隊列設定画面」で隊列を編集していきます
マウスで操作します。
左クリックで画面上のボタンを押して、編集していきます。

記事中ではゲーム画面サイズ320×240で説明していますが、ゲーム画面サイズ640×480ですと下の画面のようになります。
前述の通り、基本システムの戦闘画面での敵表示座標が320×240を基準としているため、「敵隊列設定画面」は320×240画面範囲内に表示しています。

基本的な操作の流れは「E1」~「E7」ボタンを左クリックすると、対象の敵グラフィックが選択状態となり点滅します。
この段階で右クリックをすると、選択をキャンセル出来ます。
この敵グラフィックを移動させる場合は、もう一度左クリックすると、その位置に敵グラフィックが移動し、マウスカーソルの移動に追従するようになります。
移動させたい場所が決まったら、左クリックすると移動確定し、敵グラフィックの選択が解除されます。
この作業を敵グラフィックごとに繰り返していきます。

ピクチャの表示順は変更できませんので、「E1の敵グラフィックが一番奥」、「E7の敵グラフィックが一番手前」に表示されることを意識して隊列の調整をしてください。
隊列が完成したら右下の赤い「▼」のボタンを押して、隊列座標のCSVファイルを出力します。
出力が終わったら、リセットするなり、テストプレイを終了するなりして問題ありません。

●ボタンの説明

ウディタのデフォルトの隊列になります。
ユーザーデータベース「★敵隊列設定画面用」内で変更可能です。







移動対象の敵画像を選択して移動させることが出来ます。

10pixelごとのマス目を表示させます。

グリッド(10pixel)に吸着した移動ができます。

味方ウィンドウを表示します。
4人パーティー用→6人パーティー用と押すごとに切り替わります。

敵グラフィックに赤枠と敵番号を表示します。

最後に編集した敵グラフィックを基準に横に整列させます。

最後に編集した敵グラフィックを基準に縦に整列させます。

設定した隊列の座標データをCSVファイルで出力します。
出力先はGame.exe、Editor.exeなどと同じ階層になります。
「敵隊列設定画面」での操作を動画にしてみました。
9.出力したCSVファイルをユーザーデータベース「敵グループ隊列」に取り込みます
Game.exe、Editor.exeなどと同じ階層に出力されたCSVファイル「敵グループ隊列_*.csv」が出力されています。

ユーザーデータベースエディタを開き「敵グループ隊列」を選択し、空きスペースにCSVファイルを読み込み、ID名を付けます。


これでこの隊列がユーザーデータベース「敵グループ」から選択できるようになりました。
「OK・更新」ボタンを押さないと反映されません。
試しに敵グループに追加した隊列を設定してみます。
追加した隊列には敵2と敵3は設定されていないものでしたが、今回はあえて設定してみます。

10.戦闘イベントを作成して、追加した隊列が問題なく表示されると確認します
戦闘イベントを作ります。

ちゃんと追加した隊列で表示されました。
ですが、敵2と敵3に設定したオーク2体はどこへ?

画面の左上にいるようです…
ただ表示されていないだけならいいのですが、攻撃対象として選べてしまうので、隊列設定時はこの点だけご注意ください。

以上になります。
敵の隊列が自由に設定できるようになりますので、うまく組合せれば合体ロボ?やボスの部位破壊みたいなことも実現できると思います。
敵隊列設定画面のコモンイベントは動作が微妙なところもあるので、ボタンの反応が悪いとか。
改良・改造など使いやすいように行ってかまいません。
一応、なにか不具合がありましたら、コメントなどでお知らせください。
2016.10.31更新
隊列設定で座標が設定されていない敵が使用されている場合に、デバッグウィンドウにエラーメッセージを表示するように変更しました。

「175_X[戦]敵キャラ_座標算出.common」に処理が追加されていますので、こちらのみ再度コモンイベントエディタで上書きしてください。
デバッグウィンドウはエディタの上部メニュー「ゲーム設定>デバッグウィンドウ使用」でテストプレイ時のみ表示されます。



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