画像管理に便利なソフト紹介
2011.06.09
ゲーム制作では多数の細かい画像パーツを取り扱うことが多々あり、これをいかに効率的にストレスなく管理するかが、ゲーム制作全体の効率化にも関わってくる問題の一つです。そんな画像管理を便利に行うソフトの紹介になります。
Windows標準のエクスプローラでも十分管理出来る部分もありますが、VixやアドビのCSシリーズをお持ちならばBridgeなど、エクスプローラの機能を拡張したような画像一覧管理ソフトを利用されている方も多いかもしれません。
今回ご紹介するのは、別に画像管理ソフトをだんっと起動させてというものではなく、一連の作業の流れの中でもっと手軽にさくっと画像の情報を確認できるソフトになります。
私は今まで、Picaviewという市販ソフトを使っていました。
↓こんなかんじでデスクトップやエクスプローラーの画像ファイルのアイコン上で右クリックすると表示されるメニューの中に画像のサムネイルと画像サイズなどの情報が表示されます。
まさにさくっと画像の情報を確認できるので、非常に便利なのです。ゲーム用の細かい画像パーツの確認などにはうってつけと言えます。

と。Picaviewはとっても便利だったのですが、単体販売はすでに終了していて、ACDSeeという画像管理ソフトのパッケージに含まれるものとなったようですが、その後どうなっているのかはよくわからず……。
そんなわけで、入手困難になった上にWindow7など最新の環境では、動作が不安定だったり、64bit環境では動作しなかったりと先行きが不安になっていました。
そこで、私の64bit環境になっているPCでだいぶ前から使っていたXnView Shell ExtensionというPicaviewと同じような機能を持ったフリーソフトをメインの作業PCにも導入してみようと、Picaviewよりも便利に!を目指して環境整備してみました。
まずは、XnView Shell Extensionをダウンロードします。
↓英語のサイトですが、ソフト自体は日本語で使用できるので、臆せずダウンロードしてみましょう。
XnView Shell Extension
ここのサイトではXnViewというのが海外でもメジャーなVixなどのような画像管理ソフトをメインで扱っているのですが、XnView Shell ExtensionはXnViewの開発上で生まれた派生ソフトみたいなかんじですかねぇ。
XnViewも非常に便利なので、興味があったら使ってみてください。
さて、英語でどれをダウンロードしたらいいのやらというかんじですが、↓の画像を参考にXnView Shell Extensionをそれぞれの環境にあったものをダウンロードしましょう。
「~64bits」とあるのは64bitOS環境用になります。32bitOSの場合は「XnView Shell Extension Setup」をダウンロードするのがお手軽です。

XnView Shell Extensionをダウンロード&インストールし、画像ファイルのアイコンを右クリックしてメニューを表示してみると、↓のような表示になります。
メニューに「XnShell」という表示があり、そこにマウスカーソルを合わせると、Picaviewのような画像のサムネイル画像と画像情報が表示されるようになりました。
これじゃちょっと使いづらいので、これから色々と設定をカスタマイズしていきます。
ただし、あくまでも私自身の使いやすい設定の一例ですので、この記事をご覧になって試される方それぞれが使いやすい設定を探してみてください。

画像情報の一番下にある「Options」を選択します。

英語の項目がいっぱいですが、日本語に変更することができるので、右上の「Language」から「Japanese」を選択し、ひとまず「OKボタン」を押します。

再び画像ファイルのアイコンを右クリックしてメニューを表示すると、画像情報部分の項目も日本語になり、もちろん「オプション」の設定項目も日本語で表示されるようになっています。

それでは、色々と設定を変えていきましょう。
「カスタムサムネイルサイズ」:サムネイル画像のサイズを少し大きくしてみます。
「サブメニュー」>「サブメニューなし」:画像ファイルを右クリックした際に表示されるメニュー上に、画像情報がすぐ表示されるようにします。
「これよりファイルサイズが大きい場合サムネイルなし」:私は割と大きいファイルサイズの画像を扱うこともあるので、100MBにしちゃいましたが、表示が重くなったりすると思うので、デフォルトの20MBでも十分だと思います。
「メニューアイテム」:不用なもののチェックを外してみました。これは各自必要に応じてという部分です。
調整ができたら、「OKボタン」を押して設定完了です。

再度、画像ファイルのアイコンを右クリックしてメニューを表示させると、いいかんじに画像情報が表示されるようになりました。

設定の「メニューアイテム」で「変換」をチェックしてあると、メニュー上からいくつかの画像形式への変換ができるようになります。
変換画像は新たなファイルとして生成されるので、元画像を損なうことはありません。
ちなみに元の画像が透過GIFで、PNGを選べば透過PNGになります。

設定の「メニューアイテム」で「回転」をチェックしてあると、メニュー上から画像を回転させて再保存されます。
こちらは元画像が変更されますので、ご注意ください。

さて、メニュー上で画像の情報を確認していて、サムネイルではなく実寸表示で画像を確認したくなることがあると思います。
そういう場合はメニュー上のサムネイル画像をクリックすると、それぞれの画像形式に関連付けられたソフトが立ち上がり、画像を確認することができます。

私の環境ではPNG画像にはWindowsフォトビューアが関連付けられていたため、このような表示になりました。
Windowsフォトビューアでもいいのですが、もうちょっと高機能な画像ビューアで表示させたいところです。
あと、画像形式によってはPhotoshopなど画像編集ソフトが関連付けられていたりすると、ちょっと面倒だったりします。
もっとお手軽に高機能にということで、ここで表示される画像ビューアソフトを変更します。

使用するソフトはこちら。
MassiGra
この画像ビューアはGIFアニメーションの確認ができたり、透過画像も視覚的に透過と確認できたり、αチャンネル付きのPNG画像も透明度の変化がわかるようにちゃんと表示されたりと、フリーの画像ビューアソフトとしては非常に高機能です。
GIFアニメーションはそれほどゲーム画像パーツには関係ありませんが、透過画像やαチャンネル付きPNGの表示状態を確認できるのはゲーム画像パーツの管理上で非常に大きいポイントですねぇ。
インストーラーはありませんので、ダウンロードして解凍したフォルダを適当な場所に置いておきましょう。
自分でProgram Filesフォルダに放りこんでもOKです。
それでは、画像ファイルのアイコンを右クリックしてメニューからXnView Shell Extensionのオプションを開きます。

「画像を開くプログラム」を「その他のプログラム」として右のボタンからMassiGraのプログラムファイルがある場所を探しに行きます。

MassiGraのプログラムファイル「MassiGra.exe」を選択します。

「OKボタン」を押して、設定完了です!

さっそく、画像ファイルのアイコンを右クリックしてメニューのサムネイル画像から画像ビューアとしてMassiGraが起動することを確認します。

さて、MassiGraでの表示もがんがんカスタマイズしていきます。
MassiGraのウィンドウ上で右クリックしメニューを表示します。
「その他」>「設定」と選択します。

赤枠をしていない部分も設定を変更しており、重要な箇所だけ説明していきますので、画像に見ながら設定を真似てもらうのもいいですし、独自の設定をしてもOKです。
まずは「全般」タブから。
「多重起動を許可」:複数の画像を見比べたい場合もあるので、チェックします。

「ウィンドウ」タブ。
「サイズ自動調整時にツールバーより小さくしない」:画像を表示する際に余計な余白ができるので、チェックを外します。
「前回終了時に最大化していたら最大化」:画像を常に原寸サイズで確認したいので、チェックを外します。

「ズーム」タブ。
「縮小時に補間する」「拡大時に補間する」:ズーム表示したときに画像をぼかしてキレイにみせるかどうかですが、ゲーム画像ですとドット絵の素材があり、ズームした場合にもドットがはっきりわかるのが望ましいので、チェックを外します。

「バー」タブ。
「カーソル位置により自動的にツールバーを表示/非表示」「カーソル位置により自動的にステータスバーを表示/非表示」:画像だけが表示されればいいので、このあたりは必要に応じて確認できればというかんじでチェックしておきます。
別の設定で完全に表示させないようにすることもできますが、困る場合もあると思うので、こちらでの設定で十分だと思います。

「移動」タブ。
「最後/最初に到達した時」:画像ビューア上で左右キーなどを押すと、フォルダ内の別の画像を連続して表示していくことができるのですが、その動作についての設定です。「フォルダ内ループ」にしておきます。
ちなみに上下キーを押すと別のフォルダに移動して画像を表示します。

「ファイル読み込み」タブ。
「透過表示の背景色」:透過GIF・透過PNGの画像を表示させたときの背景色の色を指定します。画像がちゃんと透過されているか確認しやすい色を「色選択ボタン」から選択し設定しておくと便利です。

これで、ひとまずの設定は完了しましたので、「OKボタン」を押します。
まだ、設定箇所は別にあるので、引き続き設定をしていきます。
MassiGraのウィンドウ上で右クリックしメニューを表示します。
「表示」>「ウィンドウ」と選択します。

「常に手前に表示」:画像ビューアで画像を確認中に他のウィンドウに隠れないようにチェックしておきます。邪魔な場合もあると思うので、お好みで。
「内側の枠」:余計な装飾はいらないということで、チェックを外します。こちらもお好みで。
「スクロールバー」:↓の画像ではチェックしてありますが、画面よりも大きい画像を表示する際に表示されるスクロールバーを表示するかどうかとなり、後で設定するマウス操作の変更で邪魔になる場合があるので、チェックを外した方がいいかもしれません。
スクロールバーが表示されると、画面よりも大きい画像だとわかりやすいので、ちょっと迷いどころです。

「表示」>「表示オプション」では「ウィンドウを画像に合わせる」を選択します。

「表示」>「フィットオプション」では「ウィンドウ内に収める」を選択します。

今度はマウス操作の設定を変更します。
デフォルトではマウスホイールの操作が別の画像を表示していくような設定になっているので、ホイール操作で画像のズーム表示ができるようになどしていきます。
「その他」>「マウス設定」を選択します。

「カスタマイズ」タブになります。

「マウス操作」のリストから「ホイール上回転」を選択し、「★単独での機能ボタン」を押します。

「メニュー項目」>「表示」>「ズームイン」を選択します。

同じように「ホイール下回転」も「メニュー項目」>「表示」>「ズームアウト」を選択します。

ズーム機能の設定があったら、実寸表示に戻す機能も欲しいので、「中クリック」に「メニュー項目」>「表示」>「元のサイズで表示」の機能を付けます。

画面よりも大きいサイズの画像を表示した際に、瞬時にウィンドウサイズに変更したいので、「左ダブルクリック」に「メニュー項目」>「表示」>「ウィンドウに合わせる」の機能を付けます。

これで、マウス操作の設定は完了です。
「OKボタン」を押します。

MassiGraでは、表示できる画像形式がごく一般的なものに限られているので、表示できる画像形式を増やすためにフリーの汎用的な画像表示プラグインとしてメジャーとなっているSusieプラグインを利用できるようにします。
SusieプラグインにはPhotshopのファイル形式PSDを表示できるようにするものや、ドット絵ツールとして有名なEDGEのファイル形式を表示できるようにするものがあります。
Susieプラグインの入手に関しては、下記のURLを参考にどうぞ。
Vectorのカテゴリを探せば、だいたい必要なものは揃うと思います。
多形式画像ローダーSusie
EDGEのSusieプラグインはEDGEの公式サイトで公開されています。
TAKABO SOFT
必要なSusieプラグインが揃ったら、ファイルの拡張子がSPIとなっているファイルをひとつのフォルダにまとめて、適当な場所に置いておきます。
MassiGra上での設定にもどり、「その他」>「プラグイン設定」と選択します。

「プラグインがあるフォルダ」でSusieプラグインが置いてあるフォルダを選択します。
あとはMassiGraで使用するプラグインを選択します。
特に必要がないものを選択すると、重くなったり不安定になったりするようですので、必要なものだけチェックしておきます。
設定が終わったら、「OKボタン」を押します。

MassiGraでの画像表示は軽くて高機能なので、XnView Shell Extensionからの画像表示だけでなく、エクスプローラやデスクトップ上で画像ファイルをダブルクリックした時に画像を表示するデフォルトの画像ビューアとしても設定したいところです。
そういった場合は「その他」>「関連付け」を選択します。

「全てチェックボタン」を押し、「OKボタン」を押して完了です。
ここで設定できるのはWindowsで一般的に扱う画像形式のみですが、これで十分でしょう。
あとは必要に応じて個別に関連付けしましょう。
Windows7やVistaの場合は下記を参考にどうぞ。
既定のプログラムの変更

MassiGraの設定はこれで完了です。
↓の画像ではわかりませんが、アニメーションGIFもアニメーションで表示できるし、透過PNGの透過も確認でき、αチャンネル付きPNGの透明度もきちんと表示されています。

以上で「XnView Shell Extension」と「MassiGra」の設定が完了し、お手軽&快適に画像の管理をすることができるようになりました。
ぜひお役立てください。
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